旅人
いくつの喜びをこえて来たのだろう
花が咲き乱れる場所で
緩やかに風と戯れながら
いくつの悲しみをこえて来たのだろう
時と共に風が流れる丘で
一粒の涙を
気まぐれな風にあずけながら
いくつの苦しみをこえて来たのだろう
たくさんの人々が
憎み妬み
互いの命を奪い合う戦乱の地で
いくつの楽しみをこえて来たのだろう
月が映る鏡のような湖で
空を翔ける星々に願いを乗せて
いくつこえて来たのだろう
そして
いくつこえて行くのだろう
鳥からの手紙
朝 空を見上げると
夕 空を見上げると
朝焼け
夕焼け
ゆったりと堂々と流れていく雲と
目に痛いほどの青い空と
様々な顔を見せる
見ていて飽きない空だけれど
一瞬だけ見せる表情が
一瞬だけ見れる色が
故に儚いそれが
一番美しいのだと 思う
その空に羽ばたける事を
私は
私は誇りに思う……