足元には
ビー玉がいっぱい

ひしゃげたビー玉
傷の入ったビー玉
割れているビー玉

ひとつとして綺麗なままのものはない
それでも
硝子玉は空を透かす

そしてそれが
僕が生きてきた
僕が歩いてきた
沢山の思い出

思い出を形にしたら
色とりどりのビー玉になった

足元には
ビー玉がいっぱい




何が悲しくて泣いているのか
もう何も分からなかった

血に濡れた腕で
傷だらけの腕で

顔を覆って少年は

歯を食いしばって
堅く目を瞑って

ただ何かの為に
涙を流した



白灰の空から
堕ちてゆく雨雫
澄んだ空気を纏って
汚れた大地に
しとしとと
しとしとと
飽く事もなく



退屈な時間の上にふわり
疲れた地面の上にふわり
手にとると凍るような冷たさを残して消える

寂びれた風とふわり
枯朽ちた葉とふわり
太陽の懐かしい香りを残して消える

さァ私は誰でしょう



花を求め
空に舞い
その黒い羽で風を追い
ひらりひらりと
それを見て
僕も空へ行きたくなった

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